2011.06.09 平成23年 第2回定例会

1 防災対策について

(1)防災無線について

予算が計上されている防災無線のデジタル化について、整備されるまでの経緯を示せ。デジタル化されることにより、防災無線の現状の課題について何がどのように解決され、また耐震性は確保されるのか。

防災無線のデジタル化については、今年度に設計を行い、来年度、機器更新を行う予定。デジタル化をすることによって音質が向上し、放送内容の聞き取りにくさが解消されると期待する。また、電波を傍受される危険性がなくなり、電波障害に影響されることもなくなると考えている。 耐震性の確保については、平成22年度から放送塔を計画的に交換作業を行っており、平成27年度をめどに完了する予定で。

発信基地局が区役所の防災センター1か所では高島平・新河岸・成増などに届きにくいのではないか。発信基地局を赤塚庁舎あるいは高島平区民事務所などへ増設することを求めるが、どうか。

発信基地局については、使用できる周波数が1波に限定される上、原則として同一周波数での発信基地局は1局しか認可されないが、区の地理的状況等を説明し、総務省と現在協議している。ご提案の手法については実現困難な状況でもあるが、引き続き努力したい。

近年、高層マンションや商業ビルが増え、防災無線が跳ね返り、聞き取りにくくなっている。屋外スピーカーを性能のよいものへ変更し、設置箇所数を増設することを求める。公的住宅や公共施設の屋上などへの設置推進を検討すべきと考えるが、所見を問う。

今回の機器更新にあわせて地理的な特性や音声の反響等についても十分検討して改善したいと考えている。

外部電源が遮断された屋外スピーカーはバッテリーで発信するが、バッテリーの使える時間は最大48時間と聞いている。非常用バッテリーが使えなくなった場合の対応について、早急に検討しておく必要があると考えるが、どうか。

機器を更新する際には、現行と同等以上の稼働時間を確保できるバッテリーを内蔵していく予定。

江戸川区の防災無線では、震度4以上の地震が発生した場合、放送が流れ、震度5強以上になると「震度5強を示しました」と放送される仕組みになっている。本区においても同様の仕組みを取り入れるべきと考えるが、見解を問う。

区の同報系防災無線は、震度4強相当の揺れを感知すると自動的に放送される仕組みとなっている。3月11日にも正常に作動したが、音声が聞き取りにくいという声も寄せられた。現在使用している防災無線については、来年度、機器更新を行う予定。

(2)非常用無線について

携帯デジタルMCA無線は、防災センターほか各地域センター、土木公園事務所など、どこに何台、配備されているか。また、MCA無線を使ってどのような訓練をしているか。

災害発生時に使用するMCA無線は、地域センターや土木事務所のほか、バイク隊や情報班の職員が保有しており、予備機を含めて177台である。非常用無線の訓練は、毎月1回以上、定期通信訓練を実施をしており、訓練に際しては、基地局と実際に通話を行い、受信状態を報告することとしている。

本区では260ヘルツの半固定デジタル防災無線という無線電話機も配備され、いざ災害時に各関係機関との連絡がとれるようになっているが、基地局を含め、どのような機材をどこに配置しているのか。また、MCA無線との活用の違いについて示せ。

半固定型の無線機は室内の利用に適していることから、地域センターや学校等の拠点施設に186台を配置している。MCA無線は屋外の利用に強く、機動性が高いため、情報を収集するために活動する職員に持たせることとしている。

災害時には一般の電話よりも公衆電話の通話が優先されるが、設置件数は10年間で半減している。公共施設の配置状況を確認し、必要な台数を確保すべきと考えるが、どうか。

災害時には災害特設電話を区役所本庁舎や赤塚庁舎、地域センター、区立体育館などに設置をすることとなっており、被災者の方も利用できるが、公衆電話の設置についてもNTTと協議を進めていきたい。

(3)非常用自家発電について

本庁舎の自家発電装置の電源供給を強化し、一般業務に最小限必要な100ボルト電源を供給可能なように改善し、一、二週間、電気が復旧しなくても、自家発電装置の燃料が補充可能な限り通常業務が継続できるよう整備することが必要と考えるが、どうか。

今年度、業務継続計画によって災害時に継続すべき優先業務を定めることとなっているので、それらの業務が継続できるように、改築後の南館の非常用発電設備の発電能力や制御方法について、十分に検討を進める。

非常用自家発電の燃料が重油方式であるため、ストックがなくなっても、すぐに供給できれば長期の停電に対応することができる。区独自で燃料倉庫を確保するか、区内の大規模工場と契約して供給を確保するなど、不断なく燃料が確保できる手段を取るべきと考えるが所見を問う。

区独自の燃料備蓄倉庫については、消防法上の制約もあり、設置場所の確保が困難な状況。このため、事業者との災害時協定などによる燃料の供給確保、あるいは、例えばポータブル発電機の配備など、他の電源確保策についても検討を進めてまいりたい。

3、避難所の拠点となる小学校8校、中学校8校には非常用自家発電装置が設置されているが、地域の拠点となるその他の学校及び地域センターなどの公共施設にも、自家発電装置を設置すべきだと考える。また、太陽光発電システムについても、住宅向けのパネルではなく、20キロワット相当の容量のパネルを設置すべきと考えるが、見解を問う。

自家発電設備の設置については、非常用電源の振り分けと関連工事が大規模になることから、大規模改修や改築の機会を捉えて整備をすることとしている。太陽光発電については、設置場所や発電容量などの課題があるため、今後検討を進めたい。施設の大規模改修や改築を行う際には、当該施設の利用目的や災害発生時の役割等を十分に勘案し、非常用自家発電設備の導入を判断したい。

(4)障がい者避難場所について

障がい者の避難場所として、板橋区の二次避難所には指定されていない都立板橋特別支援学校と都立高島特別支援学校の体育館を活用できるように、東京都に要望すべきと考えるが、見解を問う。

都立特別支援学校は、二次避難所としての指定は行っていないが、障がいのある方を対象とした避難場所として利用できる協定を結んでいる。障がいを持つ児童・生徒が安心して避難できるよう周知をしてまいりたい。

(5)区独自の放射線量の計測について

他区に先駆けて区独自で放射線量の計測をすると決定したことは高く評価するが、測定の箇所や測定値の公表について、どのように区民にわかりやすく周知するのか。

板橋区が実施する放射線量の測定結果については、板橋区ホームページで公開を行う予定。区民にわかりやすい表示をするとともに、国、東京都、関連機関などとリンクをし、データの比較検討、状況の推移が容易に把握できるように工夫したい。

2 福祉・健康施策について

(1)障がい者雇用の推進について

厚生労働省が新たな助成金等を活用した障がい者の雇用促進等を内容とする「障害者雇用維持・拡大プラン」を推進し、障がい者を雇用する中小企業に対する助成額が大幅に増額されたが、本区では、この制度をどのように活用して障がい者の雇用促進を図ってきたのか。

板橋区はこのプランの「企業に対する障がい者雇用の促進の要請」の中の「公的機関への働きかけ」を活用し、21年10月からこれまで、知的障がい者6名、精神障がい者3名を庁内で臨時職員雇用をしているところ。そのうち、知的障がい者、精神障がい者各1名については、一般企業への就労に結びついた。また、毎年12月に板橋区障害者就労援助事業団が、障がい者を対象とした職業相談会を行っており、障がい者雇用を考えている企業に向けてプランの周知を図っている。

今年から障害者就労援助事業団、通称ハート・ワークが廃止され、民間委託に変更されるが、その変更のメリット、デメリットについてどう認識しているか。

メリットとしては、専門的ノウハウと実績を持つ社会福祉法人に委託することによって、就労支援のさらなる充実・強化が図れることが考えられる。デメリットについては特にない。

(2)スマイルマーケット高島平駅ナカ店について

区内障がい者の11の施設でつくられた自主生産品を販売するスマイルマーケット高島平駅ナカ店は、売り上げの伸び悩みなど、多くの課題もあると聞いている。区としても最大限のバックアップをすべきと考えるが、課題や改善策について、所見を問う。

ご指摘のとおり、売り上げが伸び悩んでいるが、今後、スマイルマーケット関係団体連絡会において事業内容の検証を進め、商品開発の研究やPRについて支援を行ってまいりたい。

(3)児童虐待・ネグレクトについて

児童虐待には身体的虐待、ネグレクト、心理的虐待、性的虐待など、さまざまな要因があるが、本区における児童虐待の件数の推移など、要因の分析も含めて簡潔に示せ。

通告件数の推移については、平成17年度が122件、18年度が117件、19年度147件、20年度127件、21年度176件、昨年度、平成22年度は277件と、ここ一、二年急増傾向にある。昨年度の通告件数277件の虐待種別の内訳については、身体的虐待が123件、性的虐待6件、ネグレクト98件、心理的虐待が50件となっている。

児童虐待について早期発見・早期対応するために、乳幼児健診未受診者を含む情報を電子情報化し、保健所、子ども家庭支援センター、警察などの関係機関が必要に応じて参照し、対策を講じることができるシステムをつくるべきだと考えるが、見解を問う。

乳児健診未受診者を含め、心配なケースの対応については、現在、健康福祉センターと子ども家庭支援センターが定期的に進行管理ケース会議等によって情報の共有を図っているところ。ご指摘のコンピューターシステムを活用した警察等との情報共有は難しいが、今後も支援のすき間に落ちるケースがないように、フェース・トゥー・フェースによる関係機関の連携を密にして児童虐待防止に取り組んでいく。

(4)産後うつ対策について

本区の産後うつからの虐待のケースはどのように掌握されているか、またその対策はどうなっているか。また、新生児訪問や4か月健診で会えなかった人や乳幼児健診未受診者というのは22年度ベースで何人いるのか、そこにだれがどのように対応されているか、具体的に示せ。

A:産後うつ対策は保健師や助産師が新生児訪問指導を行う際に、エジンバラ産後うつ評価票を活用し、要支援家庭を早期に把握して必要なサービスにつなげていくものだが、4か月健康診査は健康福祉センターで実施し、平成22年度は98%の受診率で、未受診者は99人でした。未受診者については保健師による家庭訪問を行っており、必要に応じて子ども家庭支援センターに連絡をするなど、フォロー体制をとって対応している。

(5)生活保護自立支援プログラムについて

本区では全国に先駆けて総合的な生活保護自立支援プログラムを整備したが、現実は生活保護者の就職率が減少している。就職先がないという問題ばかりではなく、働く意欲をなくしている人が数多く見受けられると聞いている。このような状況で、「生活保護自立支援プログラム」は生かされているのか。

生活保護自立支援プログラムは、現在、19のプログラムで構成をされており、その中の一つの就労支援は社会経済情勢に大きく影響され、特にリーマンショック以降の労働市場の冷え込みは大変厳しく、生活保護世帯が増加を続けている状況。このような状況のもとにあっても、就労支援プログラムへの参加者は平成21年度の387名から平成22年度におきましては513名が参加するようになった。また、平成22年度の就労支援プログラム等の効果の額については1,900万円あまり。効果件数については115件となっている。

ケースワーカーが100人以上を担当しているような状況で、きめ細かい支援が行き届いていないことも挙げられるが、区の一般会計に占める生活保護費が年々高まり、区民サービスに振り向けるべき財源が確保されない状況でもある。自立支援の改善を求めるが、所見を問う。

急増する生活保護世帯への支援の中にはケースワーカーによる支援だけではなく、様々な手法を用いた支援が必要。本年度当初から、各福祉事務所は無料職業紹介所としての承認を受け、就労あっせんできる体制となった。現在は就労支援相談員のさらなる活用と、また、自立支援プログラムの利用率向上に向けた検討を重ね、福祉事務所の業務見直しによる総合力アップによって生活保護者への支援強化に取り組んでいる。組織的な対応としては、板橋福祉事務所にある生活保護者を対象とした自立支援係の拡充、機能強化に向けた検討を行っていく。

(6)母親学級、女性健康支援センターの改善について

母親学級は、現在、平日のみ開催で、夜間や土日は行っていない。勤労の妊産婦の方のため、希望があれば夜間や土日開催もできるよう環境整備を求めるが、どうか。また、女性健康支援センターは、特にリラクゼーション講座は、ヨガ・アロマ・ダンス・メークなど、働く女性が興味のある内容の講座を行っている。多くの女性が活用できるよう、夜間、土日の開催を検討するよう要望するが、見解を求める。

ホームページ等を活用し、働いている女性への周知を積極的に図るとともに、講座そのものの内容をホームページを通して情報提供するなどの工夫をすることによって同様の効果を生み出していくものと考える。本センターは開設以来4年目を迎え、今までの活動の評価を行い、今後の支援のあり方等の改善を図っていく。

(7)母子手帳の機能改善について

長い間、改良されていない母子手帳について、親の意見を取り入れて、アレルギーなど健康面で気になることを書き留める欄や子どもの成長記録、誕生のお祝いメッセージの記入など自由な記述欄を大幅に増やすなどの工夫を求めるが、どうか。

現在使用している母子健康手帳は市販のものを購入しているため、記述欄を増やすことは困難な状況。大幅な改善には多額な経費が伴うので、すぐには対応できないが、現状の手帳の予備欄や余白を活用していただきたいと考える。

3 区内事業者優先発注について

21年度の実績で、板橋区が契約する工事契約、物品契約、随意契約など年間340億円のうち4割以上が区外事業者に流れているが、区内事業者育成の観点からの優先発注をもっと拡大する努力が必要と考えるが、所見を問う。

板橋区はこれまでも地域経済の活性化や区内事業者の育成を図るため、公共調達におきまして、区内事業者への発注を推進してきたところ。今後もできる限り区内事業者の活用に努めてまいりたい。

公共サービスの民間開放のさらなる推進や小規模事業者登録制度の着実な推進で雇用対策の強化を図るなど、厳しい雇用環境の改善に区長はどのような決意を持って臨んでいるのか。

板橋区はこれまでもアウトソーシングや小規模事業者登録制度の推進に積極的に取り組んでおり、あわせて区内事業者の活用を通しまして、厳しい雇用環境の改善に努めてきた。今後も厳しい社会経済状況が続くことが予想されるので、公共調達の分野でどのような取り組みができるか、十分に検討を進めたい。

4 地域の課題について

(1)新高島平駅駐輪場について

新高島平駅の駐輪場は北口側にあり、南口側から駅に向かう人には、遠く、利用しにくい状況。そのため、違法駐輪が後を絶たない。駅前の緑地帯の活用やUR都市機構に用地の貸借について支援を協議することを求めるが、いかがか。

駅前の緑地帯については都市公園法の区域であり、早急な自転車駐車場設置は難しいが、UR都市機構の用地については、区営自転車駐車場を設置できないか確認するところです。新高島平駅周辺については自転車駐車場が少ないことから、ご提案の場所を含めて用地の確保に努めてまいりたい。

新高島平駅の区営駐輪場の稼動率が非常に低いが、思い切って無料にするなど検討すべきと考えるが、どうか。

新高島平駅の区営自転車駐車場の稼働率については、自転車等利用者への周知を徹底し、利用率の向上に努めてまいりたいと考えている。また、利用料金改定については、周辺の自転車駐車場の設置状況等を勘案しながら検討したい。

(2)志村健康福祉センターについて

志村健康福祉センターは、金曜日は一日中イベントを行っていない空きスペースがあると聞いている。区民への健康施策に活用すべきと考えるが、空きスペースのままにしている理由は何か。

現在は生活習慣病予防事業、高齢者健康づくり事業、精神障がい者生活指導事業などの各事業で活用しているところ。当該施設の活用については、現在行っている介護予防事業の見直しの中で十分に検討を進めてまいりたい。

(3)サッカー場について

サッカー人口が増えているにもかかわらず、サッカー場が少ない。都立公園の陸上競技場でサッカーができるよう整備することを東京都に要望すること、及び高島平少年サッカー場の砂ぼこり対策を求めるが、所見を問う。

都立公園の陸上競技場の一つをサッカー場として設置すること。また陸上競技場でサッカーができるようにしていくことについては、ご指摘を踏まえ、東京都に要望してまいりたい。また、高島平少年サッカー場の改善については、芝生化は多額の経費がかかることから、財政状況を踏まえ検討する必要があり、今後の課題とさせていただきたい。

(4)西台駅から高島平9丁目に向かっての歩道拡幅について

なかなか進まない西台駅から高島平9丁目に向かっての歩道拡幅について、再度、東京都へ強く要望すべきだが、どうか。

歩道の拡幅については、東京都第四建設事務所所長あてに要望書を提出しており、東京都からは予算も含め整備が可能かどうかを検討していると伺っている。今後も引き続き、歩道の拡幅について要望してまいりたい。

(5)高島平のケヤキ並木の歩道の改善について

板橋十景にも選定されている高島平のケヤキ並木の歩道通が、朝夕のラッシュ時の自転車走行により、歩行者が危険であり、自転車と歩行者を分ける歩車道分離の標識設置をすべきと考えるが、東京都に強く要望することを求めるが見解を問う。

高島平のケヤキ並木通りについては、板橋区の自転車利用環境整備基本計画でコミュニティ路線に位置づけられている。安全な自転車利用が図られますよう、通行案内標識の設置などの対策を東京都に要望してまいりたい。

(6)「板橋学園特別支援学校(仮称)」について

学校が坂の上にあるため、自宅から学校までバスで送り迎えがあると聞いているが、生徒が遅刻や早退をする場合、どのような対応を考えているのか。

当該の学校については、都立北特別支援学校内に開設準備室が設置され、平成25年4月の開校に向けて現在準備が進められている。通学における遅刻、早退については、開設準備室に確認したところ、既に課題として認識し、具体的な対応策を検討しているとの回答を得ている。 (7)シニア活動センターについて

旧高七小学校に平成25年度開設予定のシニア活動センターについて、音楽室を大正琴や合唱などのコンサートができる施設にすること、また、料理教室などのイベントに家庭科室の開放することなどの要望が寄せられているが、所見を問う。

シニア活動センターは、シニア世帯の社会参加活動の促進を目的とした施設ですが、地域の方々が利用できる貸出施設も併設をする予定。高七小跡地活用協議会を通じて受けた地域要望とともに、これからの区民要望も踏まえた今年度の基本設計を進めてまいりたい。